手指の消毒等のために消毒用アルコールを使用することは感染症対策として有効な手段のひとつですが、消毒用アルコールには危険物に該当するものもあり、使用方法を誤ると火災等を引き起こす恐れがあるので、取扱いには十分な注意が必要です。
適正な取扱いのポイントは下記の3点となります
・火気の近くでは使用しないようにしましょう。
手指消毒の際に使用する消毒用アルコールは、蒸発しやすく、可燃性蒸気発生する
ため、火源があると引火するおそれがあります。消毒用アルコールを使用する付近で
は、喫煙やコンロ等を使用した調理など火気の使用はやめましょう。
・詰替えを行う場所では換気を行いましょう。
消毒用アルコールの詰替えを行うときに可燃性蒸気が発生する恐れがあり、
この可燃性蒸気は空気より重く、低所に滞留しやすい性質があります。
消毒用アルコールの詰替えを行う場所は、通気性の良い場所や常時換気が行
える場所を選び、可燃性蒸気を滞留させないようにしましょう。
・直射日光が当たる場所等、高温になる場所に保管しないようにしましょう。
消毒用アルコールを直射日光の当たる場所等、高温になる場所に保管すると
熱せられることで、可燃性蒸気が発生します。
保管場所は、直射日光が当たる場所等、高温になる場所を避けましょう。
消毒用アルコールは、アルコールの濃度が60%以上(重量%)の製品が危険物に該当します。
なお、酒類等のアルコール度数表示は、体積%による表示のため、危険物に該当するか判断するためには、体積%から重量%に変換する必要があります。
一般的に酒類等は、アルコール度数約67度(体積%)以上から危険物に該当すると考えられます。
【消防法上の危険物に該当する消毒用アルコールを貯蔵・取扱いをする場合の規制】
危険物に該当する消毒用アルコールは、消防法では「第四類・アルコール類」に分類され、貯蔵・取扱いする数量に応じて許可申請または届出が必要になります。
貯蔵・取扱う数量 | 届出・許可申請の有無 |
80L未満 | 届出・許可申請の必要はありません |
80L以上 400L未満 |
届出が必要です |
400L以上 | 許可申請が必要です |
※詳しくは、最寄りの消防署へ相談してください。
消防法上の危険物に該当する消毒用アルコールは、法令で容器に表示が義務付けられています。
【表示項目】
1 危険物の品名:第四類・アルコール類
2 危険等級:危険等級2
3 化学名:エタノール
4 水溶性(第四類のうち、水溶性の危険物の場合のみ表示しています。
5 危険物の数量:○○L
6 危険物の種別に応じた注意事項:火気厳禁
【表示項目の緩和について】
500mL以下の容量では、一部表示項目が緩和されている場合があります。
上記番号
1から4 通称名(「消毒用アルコール、消毒用エタノール」など)
5 危険物の数量:○○L
6 同一の意味を有する他の表示(「火に近づけない」など)
今後も消毒用アルコールを使用する機会があると思います。
消毒用アルコールの適正な取扱いを今一度ご確認ください。